たまに、企業が自社株買いを発表することがあります。 個人投資家にとって自社株買いは注目すべきニュースであり、株価が反応することもしばしばです。 しかし、理論上、自社株買いがどのように株価やPER(株価収益率)に影響を与えるのかを理解するには、少し深掘りが必要です。 今回は、自社株買いの影響を理論的に分析し、株価上昇がどのように説明されるかを見ていきますが、話の途中でPERやPBRの意味が分からなくなってしまわないように、イメージで覚えるといいでしょう。
参考になる覚え方として、経済アナリストの馬渕磨理子さんは、PERを頭文字のPから投資家はパーッと期待する数値。 PBRからビールで解散と紹介しています。 分かりやすい語呂合わせなのでおすすめです。
自社株買いとは?
自社株買いは、上場企業が市場から自社の株式を買い戻す行為を指します。これにより、発行済株式総数が減少し、以下のような影響が生じます:
1.EPS(1株当たり利益)の増加: 発行済株式数が減るため、同じ純利益をより少ない株式で分け合う形となり、EPSが増加します。
分かりやすい例として、100万円を100人で分け合うよりも、10人で分け合ったほうが分け前が増えます。
自社株買いは、1株あたりの分け前を増やす効果が期待できるので、短期的に株価が値上がりすることがよくあります。一方、投資価値が上がらないと投資家が見切れば株価は元に戻りやすい傾向にあります。