~株や債券に代わる“第2の選択肢”~
■ オルタナティブ投資の意味
「オルタナティブ(Alternative)」とは、日本語で「代替の・別の選択肢」という意味です。
つまりオルタナティブ投資とは、証券市場で売買される株式や債券といった従来の金融商品とは違うタイプの投資方法のことを指します。
「代替」の投資(=オルタナティブ投資の一例)になるもの
不動産投資
ヘッジファンド
プライベートエクイティ投資
ベンチャー投資
- バイアウト投資
コモディティ(金・原油など)
仮想通貨
アートやワインなどの実物資産投資
などが代表例です。
■ オルタナティブ投資の特徴
特徴 | 内容 |
---|---|
✅ 分散効果 | 株式や債券などの伝統的な資産とは異なる値動きをすることが多く、市場環境の変化に左右されにくい特性を持ちます。これにより、ポートフォリオ全体のリスク分散効果が期待できます。 |
✅ 非上場・非公開 | 非上場非公開であるものが多く、情報が限定的である場合が少なくない。 また、株や債券のような伝統的資産に比べて運用スキームが複雑であるため、投資家としての十分な理解とリスク管理が必要となる。 |
✅ 長期投資向け | 換金性が低いため短期売買に向かない。 多くのオルタナティブ投資は、上場株式や債券のように容易に売買できないため流動性が低い。投資途中で現金化が難しいので、投資期間が長期間にわたる場合があります。そのため、中長期での成長や価値上昇を狙う長期投資向けに向いている。 |
✅ 流動性が低い | すぐに換金できないケースが多く、資金を長期間拘束する場合もある。 しかし、取引市場や投資家に制限がある(流動性が低い)ことから、伝統的資産に比べて高いリターンが期待できるといえる。 |
■ 代表的なオルタナティブ投資の種類
① プライベートエクイティ投資
上場していない未公開の企業に対して投資し、企業の成長支援や経営改善を通じて企業価値を高めて将来的に売却や上場によって利益を得るスタイル。
→ 例:ベンチャー投資や企業を買収し企業再生するなどで立て直す「バイアウト投資」などが含まれます。
② ベンチャー投資(VC投資)
スタートアップ企業に早期から出資し、成長後のIPOや企業売却によって大きなリターンを狙う投資。
→ 高リスク・高リターンの代表格です。
③ 不動産投資
マンション・商業施設などの物件を保有して、家賃収入や売却による値上がり益を狙います。
REIT(不動産投資信託)もオルタナティブに分類されることがあります。
④ コモディティ投資
金(ゴールド)・原油・農産物などの「モノ」に投資する方法。インフレヘッジ(インフレ対策)としての効果も期待されます。
⑤ ヘッジファンド
相場が上がっても下がっても利益を狙える柔軟な運用を行うファンド。リスクヘッジ(回避)が特徴です。
株式の空売りやデリバティブなどを活用し、市場の変動にかかわらず絶対収益(市場平均に左右されずに利益を追求する)を目指すファンドです。
■ オルタナティブ投資のメリットと注意点
メリット
株式や債券とは違う動きをするため、分散投資の効果が高い
長期で大きなリターンを狙える
インフレ対策になる資産(不動産や金など)
注意点
情報が少ない(非公開のものが多い)
元本保証がない(ハイリスクものが多い)
換金しづらい(流動性が低い)
最低投資額が高いものもある
■ 初心者はどう活用すればいい?
まずは、少額から投資できるオルタナティブ商品を選ぶのがおすすめです。
伝統資産に比べると元本割れの可能性があるので、下記のような投資金額が少ないものから始められるとよいでしょう。
クラウドファンディング型の不動産投資
ソーシャルレンディング(個人向け貸付型投資)
ベンチャー企業への小口出資(株式投資型クラファン)
金の積立投資
まとめ
オルタナティブ投資は、
「伝統的な投資では得られないチャンスや分散効果を提供してくれる“第2の選択肢”」
とも言えます。
ただし、リスクもあるため、まずは知識をしっかり身につけて、小さく始めるのが鉄則です。
将来の資産形成に向けて、自分に合ったオルタナティブ投資を見つけてみてはいかがでしょうか?